●悪石島(あくせきじま)[
トカラ列島]
★ボゼが降りる神々の島
●住所/鹿児島県鹿児島郡十島村大字悪石島
●面積/7.49km2
●周囲/8.8km
●標高/584m
●人口/90人(R2)・79人(H27)・72人(H22)・94人(H17)・80人(H12)・71人(H7)国勢調査
●アクセス/【船・
村営フェリーとしま】
鹿児島本港北埠頭→やすら浜港(11時間)(
口之島~
中之島~
平島~
諏訪之瀬島経由)
奄美大島・名瀬港→やすら浜港(5時間10分)(
宝島~
小宝島経由)
【船】チャーター船 村営高速船「ななしま」
十島村の各島間や各島から名瀬・屋久島などへ運航可能。
概要
★悪石島は屋久島と奄美大島の間に連なるトカラ列島のほぼ中央に位置している。鹿児島港から11時間、奄美大島から5時間。周囲10kmにも満たない島の標高は584m。断崖が海岸線まで迫る、まさに秘境。
★トカラ列島と一口に言っても、北は口之島から南は横当島まで162kmの間に小島が点在し、海で隔てられたそれぞれの島にはそれぞれの風習が封じ込められている。
★悪石島だけに伝わる「ボゼ」という風習はとりわけ注目を集めているもので、旧盆(旧暦7月15日)の前後に行われる盆踊りの最終日に仮面神「ボゼ」が現れ、盆の幕引きをする。秋田県に伝わる「なまはげ」と似ているが、ボゼ神はボゼマラという性器を象徴とした細長い棒を持ち、先端に塗られた赤い泥水を人々に付けて回り邪気を払う。泥水を付けられた子供は健康に育ち、女性は子宝に恵まれるという。赤い仮面の大きくて丸い目と耳、そして尖った鼻を持つボゼ神の姿は、インドネシアなどの南方系のものと似通っていて一段と神秘さを増す。
★霧島火山帯の上にあるトカラ列島の悪石島にも温泉が湧き出ている。島の入口、やすら浜港の北側には、内風呂と露天風呂がある「湯泊温泉」、少し北へ進んだ所に「砂むし風呂」、そして海岸の岩場にある「海中温泉」などがある。はるばる訪れた秘境の温泉は格別なものがある。『
砂風呂』「
島の宝100景」。
★トカラ列島には平家の落人伝説が残されている。平家の落人が源氏の追っ手から逃れるために、島に悪石という厳(いか)つい名前を付け、近寄れないようにしたといわれている。
★特産品はタケノコ料理やトビウオの干物。
★「
美女とネズミと神々の島 (河出文庫)」…朝日新聞社の記者だった秋吉茂氏が1ヵ月にわたって悪石島に滞在し、島の実態を克明にまとめ上げたもの(1984/01発売)。島には文学碑が建てられている。
★対馬丸慰霊碑…1944(昭和19)年8月22日、那覇からの学童疎開船「対馬丸」が悪石島の北西約10kmの地点でアメリカの潜水艦に撃沈され、乗員1,788名のうち1,400人余りが犠牲に。1962年に追悼のために慰霊碑が建てられた。
★2009年7月22日、46年ぶりの皆既日食を観ようと多くの人が空を見上げた。ここ悪石島では皆既状態が6分25秒続く一番の観測ポイントということで、観光客と報道関係者など286人が島を訪れ満を持したが、生憎の雨と強風で思うような観測はできなかったようだ。
関連リンク
十島村/悪石島ニュース