●因島(いんのしま)[
芸備群島]
★囲碁と村上水軍
●住所/広島県尾道市因島
●面積/34.97km2
●周囲/31.9km
●標高/390.2m
●人口/21,714人(R2)・22,714人(H27)・25,430人(H22)・26,613人(H17)・26,459人(H12)・28,411人(H7)国勢調査
●アクセス/広島県尾道市から愛媛県今治市まで約60kmの「
しまなみ海道(西瀬戸自動車道)」で結ばれている。
【バス・車】
[
尾道駅・
福山駅・
今治駅・
松山駅]→因島
【船】
[
尾道新浜・
三原港・
今治港・
生口島・
弓削島・
生名島・
岩城島・
伯方島]等からフェリー
概要
★瀬戸内海のほぼ中央、広島県尾道市と愛媛県今治市の間には大小さまざまな島々が密集している。因島はそれらの中で向島と生口島に挟まれた島で、尾道市に属している。
★日本の中世には瀬戸内海で活動する水軍の存在があったが、なかでも村上姓を名乗る一派が強い勢力を持っていた。彼らは雇われて船の警護や、海運、水先案内人などを行うことから警固衆や船手衆と呼ばれる一方、航行する船の積荷を狙ったり金銭を巻き上げるなどの略奪行為を行ったことから海賊衆と呼ばれる集団でもあった。水軍村上氏は、その拠点から能島村上氏、来島村上氏、因島村上氏の三派に分かれ、それぞれの道を辿ったが、因島村上氏は伊予守護河野氏や戦国大名・毛利氏と結びつき勢力を伸ばした一派だ。因島には水軍城、水軍まつり、水軍鍋、水軍徳利など村上水軍にまつわるものが多い。
★温暖な気候を生かした“みかん栽培”。古くから栄えた“造船”。そして、江戸末期の天才棋士・本因坊秀策の生まれた地として“囲碁の島”と呼ばれることもある。
見どころ
因島水軍城…歴史家・奈良本辰也氏によって再現された水軍城。昭和58年に建てられたもので、中は水軍資料館になっている。
金蓮寺(きんれんじ)…村上水軍の菩提寺。水軍城の近くにある。
因島大橋記念公園…因島大橋の開通を記念して造られた公園。海峡と大橋を間近に望むことができる。
大浜崎灯台…向島と因島を隔てる“布刈(めかり)瀬戸”を航行する船の安全を見守る灯台。明治27年に初点灯。同43年に潮流信号所として建てられた建物が灯台記念館として保存されている。
県立因島フラワーセンター…世界中の花々が楽しめる植物公園。除虫菊記念館がある。除虫菊は古くから殺虫効果がある植物として知られ、戦前までは因島でも盛んに栽培されていた。
白滝山と五百羅漢…因島大橋を見下ろす標高227mの白滝山。頂上には因島村上水軍6代目・村上吉充が観音堂を建てたと伝わる。仁王像の山門から山頂へ向かう参道には五百羅漢の石仏たちが並ぶ。
つれしおの石ぶみ…因島公園から天狗山への散歩道には因島ゆかりの文人たちの詩歌が刻まれた石が点在。
地蔵鼻…島の南東。武将の妾になることを拒んで殺された娘を供養するために彫られた地蔵尊。女性の願いを叶えてくれる「鼻の地蔵さん」として親しまれている。
本因坊秀策の碑…文政12年(1829)、因島で生まれた囲碁棋士。お城囲碁で19戦無配の記録がある天才棋士。秀策の生家は秀策記念館として保存されている。
因島アメニティ公園(しまなみビーチ)…1km続く人工海浜とプールがある公園。因島大橋を間近に望むことができる。