●京の上臈島(きょうのじょうろうじま)[
直島諸島]
★別名「屍島」
●住所/香川県香川郡直島町
●面積/0.34km2
●周囲/2.6km
●標高/56.8m
●人口/無人島
●アクセス/
宇野港・
高松港・
直島港からチャーター
【船】高速マリンタクシー・
川西マリン・四国汽船
概要
★京ノ上臈島は直島・重石ノ鼻の北約1kmに浮かぶ島。花崗岩の露出が多く、古くは採石場として利用されていた。海岸からは古代製塩遺跡も見つかっている。
★周辺は小島が多く、屏風七浦と呼ばれ穏やかで風光明媚な場所だが、中世には海賊が多く出没したり、浅瀬も多く航行する船には難所として知られた。ここで命を落とした人も数多くいたようで、別名「屍島(しかばねじま)」とも呼ばれ、いろいろな伝説が語られる。
★不気味な話が残る島だが、戦後まもなくまで7人の住民が暮らしていた。
[
伝説]----------------------------------------------
★島の南端に「
京の女郎岩」と「
田舎の女郎岩」と呼ばれる岩がある。崇徳上皇に仕えた女郎のなかに仲の悪い二人がいて、この島を訪れても諍(いさか)いが絶えなかったので石にされてしまった。
★昔、児島半島に暮らす三兄弟がいて、京に交代で仕事に出かけていた。長兄は京で結婚、次男は田舎で妻を娶り、交代で家を空ける生活。そのうち、それぞれの妻は夫の行動に疑念を抱くようになり、嫉妬が募り、失望して島で身を投げてしまう。そのことを知った兄弟は不憫に思い、身を投げた海岸に女の形をした石を建てて供養した。近くを行き交う船は石を見て「京の女郎」「田舎の女郎」と言うようになり、いつの間にかこの島を京の上臈島と呼ぶようになった。
★玉野市南部にある渋川八幡宮には「
浜の神さん」と呼ばれる祠がある。仕事で京に出かけた男が、そこで恋仲になった女を連れて渋川へ帰る途中、女を島へ置き去りにしてしまう。男は村に妻がいたのか、それとも遊びだったのか、女が邪魔になったようだ。数日後、女は躯(むくろ)となって渋川の浜へ流れ着き、村人が念仏をあげて何度も沖へ流してやったが、翌日また戻ってきてしまう。話を聞いた男は自分が置き去りにした女だと気づき、後悔して祠を建てて女を弔った。
★この島に棲む
女郎蜘蛛が美女に化けて、近くを通った船を沈めて船人の生血を吸った。という恐ろしい話もあり、この島には江戸後期の勤皇画家と言われる佐藤正持による妖怪圧伏の石碑まである。
●局島(つぼねじま)[
直島諸島]
★お局様の寝姿
●住所/香川県香川郡直島町
●面積/0.25km2
●周囲/2.2km
●標高/75.8m
●人口/無人島
概要
★局島は直島・重石ノ鼻の北東0.7kmにある無人島。標高76m、京の上臈島と同じく、かつては採石が行われていた。海岸のところどころにわずかな砂浜があるが、全体的に岩場が多く、上陸は東側の小島が2つある海岸がよく利用される。
★崇徳上皇が保元の乱(1156年)に敗れ、讃岐配流になったとき、この島を見て「お局さまが北枕でお休みになっているようだ」とおっしゃったことから、局島と呼ばれるようになったと言われている。