●大島(おおしま)[渡島(おしま)大島/松前大島]
★日本で一番大きな無人島
●住所/北海道松前郡松前町字大島
●面積/9.73km2
●周囲/16km
●標高/732.4m
●人口/無人島
●アクセス/
江良港、清部港からチャーター船
※上陸には文化庁の許可が必要
概要
★渡島大島は、北海道の南端、松前半島江良から西へ約50kmの海上にある。正式名称は大島だが、全国にある大島と区別するために渡島大島や松前大島と呼ぶ。
★いかにも火山島といった形で、平地が無く海岸線は切り立った岩場をしており、地肌がむき出しの部分が多く見られる。火山の創生時期は不明だが、江良岳(えらだけ)[732.4m]はおよそ2万年前、清部岳(きよべだけ)[722m]は1万年前、そして寛保岳(かんぽだけ)[648m]は江戸時代の寛保元年(1741)の噴火で形成されたもので、三重式の火山島になっている。
★松前藩の記録によると、寛保元年(1741)の噴火の時に大津波が発生し、死者が1,467人を数えたとある。しかし実際には、渡島半島、津軽半島だけではなく、新潟や朝鮮半島にまで被害が及び、全体的には2,500人以上の死者を出したのではないかという推測もある。
★対馬暖流の影響を受ける大島は比較的暖かく、わが国のオオミズナギドリの繁殖地の北限に当たることから、昭和3年(1928年)に国の天然記念物に指定された。しかし、外部から侵入したドブネズミやアナウサギの被害に加えて、食肉用として人間が捕獲したことでその数を減らし、現在では人間による捕獲こそ無くなったものの繁殖地としての存続が危ぶまれる状態が続いている。
★大島周辺の海はクロマグロやサバ、マスなどが豊富な好漁場として知られ、以前から漁船や釣り船が島に立ち寄ることもあったようだが、近年トリカラス浜の避難港(大島漁港)が整備されたことで上陸が更に容易になり、島の自然に影響を及ぼすのではないかと危惧する向きもある。かつてオオミズナギドリの楽園だった日本一大きな無人島も少しずつ様相を変えている。