●渡名喜島(となきじま)[
沖縄諸島]
★沖縄の原風景
●住所/沖縄県島尻郡渡名喜村
●面積/3.56km2
●周囲/12.5km
●標高/179m
●人口/346人(R2)・430人(H27)・452人(H22)・531人(H17)・523人(H12)・616人(H7)国勢調査
●アクセス/[
久米商船]【フェリー】沖縄・那覇泊港→渡名喜港(2時間15分)
概要
★那覇・泊ふ頭ターミナルから久米島行きのフェリーに乗ると2時間ほどで渡名喜島へ到着。もともと西森がある北部と大岳(ウータキ)がある南部は別々の島だったが、長い年月を経て間に砂が堆積し、現在のような一つの島になった。その平坦な所に港や集落ができ、北西にある無人島の入砂島を含めて渡名喜村が構成されている。
★この島に人が住み始めたのは今からおよそ三千年前の縄文時代後期(早期貝塚時代)のことだと言われている。何処からか小さな丸木舟で海洋に漕ぎ出し、この島を目指したのか偶然にたどり着いたのか、海を渡る古代人の姿が思い浮かぶ。“トナキ”の語源は不明だが、古くは「戸無島」という字が当てられていた。
★楕円形の大きな葉っぱの常緑樹フクギ(福木)に囲まれた集落には、白い珊瑚砂の路地が整然と縦横に走り、道路より一段低くなった敷地には赤瓦と白い漆喰の屋根、そして玄関の前には悪風除けのソーンジャキといった沖縄の原風景を観ることができる。この町並みは平成12年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている。夜になると路地の両脇にフットライトを点灯させ独特の雰囲気を醸し出すなど、観光客への配慮もなされ、保存と観光化が進められている。
★周囲13kmほどの小さな島に標高150m前後の山々。南端の大本田(うーんだ)の展望台へ徒歩で登るにはちょっとキツイものがあるかもしれないが、天気の良い日には北に粟国島、南に慶良間諸島、西に久米島を望むことができる。最近は一人乗りのエコカー(バッテリカー)をレンタルできるようだ。
★島には美しい砂浜が点在しています。メインは港の反対側にある東浜(あがりはま)。700m続く白い砂浜と遠浅で静かな海は眺めるだけで癒される。そして南に続くアンジェーラの浜は2009年公開の映画「群青」の舞台になった所で、ダイビングスポットやウミガメの産卵が見れる場所として知られている。
★特産品はモチキビやアーサ。モチキビは御飯に入れて炊いたり、団子やそのままモチにして食べたりする。アーサとはアオサ(ヒトエグサ)のことで、佃煮や汁物にして食べる。
●入砂島(いりすなじま)[出砂島(いですなじま)]
★米軍射爆撃訓練場
●住所/沖縄県島尻郡渡名喜村
●面積/0.26km2
●周囲/約2km
●標高/32.0m
●人口/無人島
●アクセス/一般人は立ち入り禁止
概要
★入砂島は渡名喜島の北西約3.8kmにある小島で、NHKの朝ドラ「ちゅらさん」のオープニング映像に使われた。
★戦前までは“神の居る島”として渡名喜住民に畏れられ、4年に一度行われる入札で決められた一家族だけが島に住み、畑を耕し、島を守ってきた。周辺は好漁場に恵まれカツオ漁が行われていたが、戦後から現在に至るまで米軍の射爆撃の演習地として使用されているため、開放日を除いて一般的には立ち入ることも近づくこともできない島になった。
★国土地理院の地図には「入砂島」で登録されているが、米軍施設名としては「出砂島(いですなじま)射爆撃場」という表記になっている。古くは慶長検地帳に“テソナ”という記述があるようで、テソナ→出砂(ですな)になったとも考えられるが、どういういきさつで入砂になったのかは不明。