●相島(あいのしま)[筑前諸島]
★勾玉の形をした島
●住所/福岡県糟屋郡新宮(しんぐう)町大字相島
●面積/1.24km2
●周囲/6.70km
●標高/76.9m
●人口/215人(R2)・267(H27)・328人(H22)・368人(H17)・409人(H12)・441人(H7)国勢調査
●アクセス/【船】
新宮漁港→相島漁港(17分)
概要
★相島は西鉄貝塚線の終点西鉄新宮駅に程近い新宮漁港から渡ることができる。片道17分、定員164人の町営渡船「しんぐう」は夏季1日6便、冬季5便の往復運航。
■『日本書紀』に記され、『万葉集』や『続古今和歌集』にも詠われる。古くは「吾瓮島」「阿倍島」「阿恵島」「阿閉島」「藍島」などの表記も見られる。
★長井浜にある
積石塚群は海辺の石を積み上げて造られたもので、500m続く海岸に250基以上の古墳が見つかっている。造られたのは5~7世紀、『日本書紀』や『筑前国続風土記』にある「吾瓮海人(あへのあま)」、つまり相島にいた古代海人族が造ったもの。
■勾玉のような形をした島の南側に港と集落があり、周囲の海岸線は断崖と岩場が続き、岩や石にまつわる名所が多い。
★北側にある
岩宮神社と
潮井の石は秀吉が朝鮮出兵の時にこの島に立ち寄り、勝利を祈願したとされる神社。そして兵士に積石をさせた場所だと言われている。
★断崖絶壁の中にある
「穴観音」は海上安全、無病息災を祈願して造られたもので、人一人がやっと入れる岩穴を下りると10畳ほどの洞窟が広がりそこが祈願所になっている。現在は崩落の危険があるので立ち入り禁止。
★南端の
竜王石は漁師の信仰を集める巨大石。毎年11月には竜王祭りが催される。
★東端の鼻面半島の300m沖にある
鼻栗瀬は通称「めがね岩」といい、高さ20mの玄武岩の真ん中が波に侵食されて穴があいたもので、長井浜からの鼻栗瀬が相島の代表する景色。
■神社
★恵比須神社…豊漁と安全を願う漁の神様。
若宮神社…島の氏神。御神木の「ユズカズラ」の葉や実は安産のお守り。毎年1月10日に催される恵比須祭りは若宮神社から出発する。
剣神社…明治時代にたくさんの剣が発掘されたので神社が建てられた。平安時代、筑前大島に配流された安倍宗任が隠したとの言い伝えもある。
■外国との接触
★日蒙供養塔…元寇(1274年・1281年)の時、この島にも日蒙多くの屍が流れ着いたという。その慰霊として建てられたもの。
朝鮮通信使客館跡…江戸時代に朝鮮通信使が復活し、黒田藩は相島に迎賓館を作り、それを迎えている。
遠見番所跡…現在、相島の最高点・高山(標高77m)には灯台が立っているが、江戸時代には異国船を見張る遠見番所が置かれていた。