●佐合島(さごうじま)[
熊毛群島]
★海の青さ山の青さに雲重なれり
●住所/山口県熊毛郡平生町大字佐合島
●面積/1.32km2
●周囲/5.5km
●標高/121.3m
●人口/9人(R2)・17人(H27)・25人(H22)・42人(H17)・44人(H12)・38人(H7)国勢調査
●アクセス/
佐賀漁港→佐合島(10分)
概要
★佐合島は山口県の南端にあたる熊毛半島の西側、田布施町の馬島、刎島とは猫瀬戸を挟んで間近にある。
★北部と南部に100mを越す山があり、全体的に山がちで中央部東側の僅かな平地に集落と港がある。中世には京都賀茂神社の社領だった。
★古くは佐郷島や佐河島と記され、慶長5年(1600)の検地帳には佐合の文字が見られる。佐賀や嵯峨という地名は河口の潮が逆流する(遡る)ような場所に付けられることが多く、平生町佐賀も川が多いことから地名になったものと思われる。島名は“佐賀の島”が変化したものか?
★人口は天保13年(1842)に694人、明治22年(1889)に975人の記録があり、現在の過疎の状態からは想像できないくらいの賑やかだった。
★俳人で水彩画家の久保白船(くぼ はくせん)は明治17年(1884)に佐合島の醤油造りの家に生まれた。県立山口中学校を卒業して20歳の頃にこの島に戻り家業の醤油醸造業を営みながら自由律俳句の創作活動をつづけている。荻原井泉水が創刊した新傾向俳句機関誌『層雲』の同人となり、種田山頭火や江良碧松とともに「層雲の周防三羽烏」と呼ばれるほどの才能を見せた。代表作は「海の青さ山の青さに雲重なれり」、「踞(うずくま)ればふきのたう」等があり、島内には、白船の生家跡地が残されている。