●柱島(はしらじま)[
柱島群島]
★戦艦陸奥が謎の爆沈
●住所/山口県岩国市柱島
●面積/3.12km2
●周囲/8.5km
●標高/262.2m
●人口/93人(R2)・145人(H27)・188人(H22)・228人(H17)・282人(H12)・320人(H7)国勢調査
●アクセス/[
岩国柱島海運]
岩国・新港桟橋→柱島(38分)(黒島、端島経由は59分)
概要
★北は広島県の倉橋島、南は山口県の屋代島、二つの大きな島の間にはいくつもの小島が点在している。そのほぼ中央に位置する島が柱島。柱島は山口県岩国市に属し、岩国新港から一日3~4便の定期船が片道40分から1時間ほどで運行している。
★標高262mの金蔵山を中心に斜面が海岸線まで続き、東側の比較的緩やかな斜面に集落がある。生活は近海での漁業と畑作やミカン栽培などの半農半漁で、釣りなどで島を訪れる人も多いことから旅館を営む家もある。
★集落の外れにある賀茂神社は産土神(うぶすながみ)として古くから信仰を集めてきた。御神体は神武天皇をはじめ88柱の神々が祀られている。時代とともに色々な神が合祀されていったのだろう。島名はこの御柱の多さから名付けられたと言われている。
★中世になると瀬戸内海では水軍が勢力を振るうようになり、柱島は長い間その拠点となっていた。頂上に水軍の城があったと言われているが、今ではその痕跡はほとんど残ってはおらず、付近には太平洋戦争当時の見張り塔の跡や貯水槽が残されている。
★南端の洲鼻に「戦艦陸奥英霊の墓」と書かれた塔がある。昭和18年6月8日12時10分、戦艦陸奥が柱島南西沖約2kmの地点で謎の爆沈を遂げ、1,121人の犠牲者を出した。この時多くの遺体が洲鼻や続島に流れ着き、事実が敵方に漏れないように秘密裏に荼毘に付されたと言う。後に柱島の人達が残された遺骨を拾い、犠牲者を悼んでこの地に墓を建てた。
★港から南へ向かう坂道を少し登った所にある西栄寺には赤禰武人(あかねたけと)の墓がある。赤禰武人は高杉晋作の奇兵隊でも活躍した長州藩士で尊皇攘夷の活動家だったが、高杉などの倒幕急進派と対立、幕府のスパイとの嫌疑をかけられ長州藩によって処刑された人物。故郷であるこの島に潜伏しているところを捕らえられ山口市の出合河原において斬首された。享年28歳。