●出羽島(てばじま)
★天然記念物シラタマモ
●住所/徳島県海部郡牟岐町(むぎちょう)
●面積/0.65km2
●周囲/3.1km
●標高/76.5m
●人口/68人(R2)・121人(H17)・155人(H12)・188人(H7)国勢調査
●アクセス/
牟岐港→出羽島港(15分)
概要
★出羽島は徳島県の南東に位置する牟岐町の沖約3kmに浮かぶ有人島。黒潮の影響で温暖な気候に恵まれ、ハマユウやハイビスカスなどの花が咲く南国情緒豊かな島。
★島を一周できる遊歩道があり、港から1kmほど緩やかな坂道を登ると灯台へ至る。出羽島灯台は昭和34年3月に初点灯を迎えたもので、八角形の塔の上に細長い灯標が建つ蝋燭のような形をしている。この灯台の辺りが島の最高点で標高は76mあり、東には間近に津島や大島、南南西遥か遠くに室戸岬を望むことができる。
★灯台展望台から西回り遊歩道を下ったところにある大池は海水と淡水が混ざる汽水湖で、国指定天然記念物のシラタマモが自生する湖として知られている。シラタマモは今から1億4000万年前の中生代白亜紀に繁殖したシャジクモ科の藻類で、日本ではかつて秋田県の八郎潟で確認されていたが干拓で消滅し、現在はこの出羽島の大池が代表的な自生地として挙げられる。世界でもリビア砂漠にある塩水湖、インド洋上にあるモーリシャス島、そしてニューカレドニア島でしか見られない希少な古代植物として注目されている。
★大池の北にある「蛇の枕」というのは、大池に棲む大蛇が時々池から這い出し、枕にして寝ていたという伝説の大石のことで、港にある野口雨情歌碑には「船で廻れば出羽島一里 島にゃ大池蛇の枕」と綴られている。
★江戸時代以前も人が居た形跡はあるようだが、寛政12年(1800)に牟岐から5人の移住があり漁業の島として発展した。昭和49年に700人程の人口を数えたが、その後人口は減少を辿り、平成5年には小学校が休校、過疎高齢化が進む島となった。産業は漁業が中心で、港には小型漁船が並ぶ。