●伊吹島(いぶきじま)
★伊吹イリコ
●住所/香川県観音寺市伊吹町
●面積/1.05km2
●周囲/6.2km
●標高/121.5m
●人口/323人(R2)・400人(H27)・590人(H22)・793人(H17)・1,020人(H12)・1,167人(H7)国勢調査
●アクセス/
観音寺港→真浦港(25分)[
市営伊吹航路]
概要
★伊吹島は観音寺港の西約10km、燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ離島。周囲を断崖が取り囲む台地状の島で、中央の台地に民家が集中している。歴史は古く、平安時代初期には数十人の定住者があったといわれており、弘法大師来島伝説が残る。
★島名の由来は、弘法大師が流れ着いた光を放つ不思議な木「異木」に仏像を彫ったことから「異木島(いぼくじま)」、あるいは、島の西方沖の海底から泡が吹き出していたことから「息吹島」と呼ばれたものが変化したなどの言い伝えがある。
★この島の言葉は平安末期の京都の公家のアクセントと同じであることが指摘され、言語学者に注目された。
★漁業が盛んで、特にカタクチイワシ漁による煮干しイワシ(イリコ)の生産は島の基幹産業となっており、良質な「伊吹いりこ」の名で全国に出荷されている。『
イリコの加工』「
島の宝100景(環境省選定)」。
見どころ
石門…伊吹島には奇岩も多く、島北部の穴の開いた海食岩や北浦港近くの
合戸の穴(ごとのあな)という洞窟が有名。その昔武者が隠れ住んだとか、水軍が船出した場所などの伝説がある。「新讃岐百景」。
閼伽井(あかい)…弘法大師が不動尊にお参りした時に持っていた杖を突くと、そこから水が湧き出たといわれる井戸。閼伽水とは仏にたむける水のこと。
波切不動尊…島北部の断崖絶壁にある不動尊。季節には桜祭りがあり多くの参拝者がある。
島四国めぐり…泉蔵院から北浦、真浦、そして西の堂まで、道沿いに四国八十八カ所に見立てた石仏が置かれており、毎年旧暦3月21日には島内外のお遍路さんが巡礼に訪れる。
伊吹産院跡…島には400年続いた「出部屋(でえびや)」という風習があった。産婦が出産後およそ1ヵ月間、家から離れた男子禁制の小屋で暮らすというもの。昔は粗末な小屋だったが、昭和8年に産院施設が完成。同31年には近代的産院に改修され、風習はしだいに薄れていった。建物は同58年に解体され、門柱が記念碑として残されてる。
明神さん…真浦港にある神社。旧暦6月22日に明神社祭礼と港祭が併せて催される。恵比須さんを船に乗せて島を一周。
伊吹八幡神社…島の中央にある神社。旧暦6月1日には神楽が催され、「猩猩(しょうじょう)の舞」が人気。
伊吹島民族資料館…公民館に漁具・民具が保存、展示されている。