●本島(ほんじま)[
塩飽諸島]
★塩飽水軍と人名(にんみょう)の島
●住所/香川県丸亀市本島町
●面積/6.75km2
●周囲/19.8km
●標高/203.7m
●人口/292人(R2)・396人(H27)・492(H22)・605人(H17)・
768人(H12)・870人(H7)国勢調査
●アクセス/【フェリー】
丸亀港→本島港(30分)
【旅客船】丸亀港→本島港(20分)/
児島観光港→本島(30分)
[
本島汽船][
六口丸海運]
概要
★本島は丸亀港から北へ約8km、瀬戸大橋与島橋の西側に位置する。およそ30の島々から成る塩飽(しわく)諸島の中心島。戦国時代は塩飽水軍の拠点、江戸時代には人名(にんみょう)統治の島として知られ、今に残る古い街並みや歴史的建造物などが当時の繁栄を物語る。
★漁業が盛んで、ワカメは島の特産。島を訪れる人も多く、民宿、食事処、カフェなどもある。
★島の景観を生かして映画のロケ地として利用されている。映画「衝動殺人 息子よ」(木下恵介監督:昭和54年)、映画「
機関車先生」(伊集院静原作、廣木隆一監督、音楽:井上揚水:平成16年)など。
見どころ
笠島集落…島の北東部、迷路のような路地に江戸末期から明治、大正、昭和にかけての古い建物が並ぶ。島の繁栄と塩飽大工の技術力の高さがうかがえる地区。町並保存センターの「真木(さなぎ)邸」、ふれあい館の「小栗邸」、文書館の「藤井邸」の内部が見学可。国選定の『伝統的建造物群保存地区』。『
中世の城下町の面影を残す「笠島のまち並」』で「
島の宝100景」に選定。
笠島城跡…長宗我部氏に攻められ落城したと伝えられる中世の山城。郭や堀切、土塁が残る。健指定史跡。
塩飽勤番所…人名(にんみょう)制度のもとに選ばれた年寄りが政務を行った場所。寛政10年(1798)に建てられ、文久2年(1862)に改築したものを復元。信長・秀吉・家康から与えられた朱印状や塩飽文書(市指定文化財)や咸臨丸の航海日誌などを展示。国指定の史跡。
木烏(こがらす)神社…古代、水先案内役を務めたという伝承の烏が祀られています。祭神は大国主命。大鳥居は寛永4年(1627)に奉納されたもので、鳥居横には塩飽勤番所からの触書などを掲示した「制札場」があり、境内には文久2年(1862)に建造された芝居小屋「千歳座」も残されています。
東光寺…鎌倉期の建立といわれる建物。本尊は平安時代の木造薬師如来座像。国指定重要文化財。
徳玉神社…源平合戦に敗れた平家の落人が甲生の浜へ辿りつき、安徳天皇を祀ったという伝説がある。
長徳寺…天文年間(1532~54)の銘がある瓦や絵瓦が残されている。
専称寺…建永2年(1207)法然上人が讃岐へ流される途中、身を寄せたと伝わる寺院。境内には、塩飽勤番所の年寄りを永年勤めた吉田彦右衛門の墓がある。国指定史跡。
正覚院…天平年間(729~748)行基の開山と伝えられる古刹。本尊は鎌倉初期作の聖観音菩薩像(国指定重要文化財)。毎年7月第3日曜日に山伏の大護摩供養が催される。不動明王像、毘沙門天像、線刻十一面観音鏡像など国指定重要文化財を所蔵。
持宝寺…11世紀の初めに建立された寺院。室町初期の仏画「絹本著色両界曼荼羅図」(県文化財)などを所蔵。
ゆるぎ岩観音…岩に如意輪観音が浮き彫りにされたもの。頬に手を当てた姿から歯痛にご利益のあると言われている。
夫婦倉…嘉永5年(1852)廻船業者の土蔵として建てられた二連式の蔵。昭和61年に復元。市指定文化財。
泊海水浴場…本島港の南側にある浜。環境省選定「日本の海水浴場」88選。
屋釜海水浴場…島の北側、水も砂浜もきれいな海水浴場。
●向島(むかいじま)[
塩飽諸島]
★本島の向かい側
●面積/0.34km2
●周囲/2.6km
●標高/46.6m
●人口/無人島
概要
★本島の北側、笠島地区の向かい側にある無人島。本島との距離は200mもなく、西には小さな弁天島がある。島内からは竪穴式石室を有する古墳や製塩土器が発見されている。
★もともと笠島地区の人々の所有地となっていたところで向笠島とも呼ばれていた。薪炭採取のほか、小船による出つくりで野菜やみかん栽培などが行われていた。
★昭和37年、大阪の企業によるリゾート開発計画が持ち上がり、ゴルフ場用地として買収されたが、瀬戸内海国立公園の特別地域であることなどから計画は頓挫。その後畑作も行われなくなり、荒地の状態。海岸線はきれいな砂浜。