●豊島(とよしま)[
下大崎群島]
★幻のアビ漁
●住所/広島県呉市豊浜町大字豊島
●面積/5.83km2
●周囲/9.8km
●標高/317m
●人口/921人(R2)・1,179(H27)・1,373(22)・1,557人(H17)・1,787人(H12)・2,085人(H7)国勢調査
●アクセス/【車】
安芸灘大橋入口→下蒲刈島→上蒲刈島→豊島(約40分)
概要
★2008年11月18日に上蒲刈島と豊島を結ぶ豊島大橋(903m)が開通したことで、本州の広島県呉市川尻町と下蒲刈島、上蒲刈島、豊島、大崎下島、平羅島、中ノ島、そして愛媛県の岡村島まで橋で繋がったことになる。この一連の橋と道路は「安芸灘とびしま海道」と名付けられ、将来は大崎上島や大三島への架橋構想もあることから、瀬戸内海の観光と利便性の向上に期待が寄せられている。
★豊島大橋には「アビ大橋」という愛称がある。アビ(阿比)というのは毎年冬になると越冬のためシベリアから南下してくる渡り鳥で、九州以北の沿岸でよく見られる。特に瀬戸内海は飛来数も多く、豊島や斎島周辺ではアビの群れを目印として漁をする伝統的アビ漁が行われていたことから広島県の県鳥にもなっている。しかし、環境の変化やエサとなるイカナゴが減ってしまったことから飛来数も減り、アビ漁は過去のものとなった。復活を願う声も聞かれるが自然を取り戻すのはなかなか難しいようだ。
★豊島は高雄山(317m)や十文字山(309m)を中心になだらかな斜面が続き、東側の小野浦の港には漁船が並び、西側の斜面にはミカン畑が広がる。漁業が盛んで、昔は近海での鯛の一本釣りや家船(えぶね)と呼ばれる小船ではるばる遠くの魚場を目差す漁師も見られたが、島の高齢化が進むとともに漁にも変化が訪れている。
★高雄山の頂上には鐘突堂がある空海展望台、十文字山の頂上には古代ローマの建物を想わせるちょっと変わった円形状の展望台がある。共に雄大な瀬戸内海や夕陽に映える島影など美しい景色が楽しめる。