●大崎上島(おおさきかみじま)[
上大崎群島]
★造船とみかんの島
●住所/広島県豊田郡大崎上島町
●面積/38.34km2
●周囲/60.9km
●標高/452.3m
●人口/7,915人(H27)・8,353人(H22)・9,123人(H17)・9,955人(H12)・10,636人(H7)国勢調査
●アクセス/【船】竹原→大崎上島(垂水・白水)(30分)[
大崎汽船・時刻表]/安芸津→大西港(35分)[
安芸津フェリー]/今治→木江港[
大三島ブルーライン]/大崎下島(大長)→木江[
土生商船]
概要
★大崎上島は広島県と愛媛県の間に連なる芸予諸島のほぼ中央に位置し、安芸の小京都と言われる竹原や東広島市安芸津の港からフェリーで約30分、距離にしておよそ10kmの海上にある。南側にある愛媛県の岡村島との間に架橋計画はあるものの実現には至っていない。
★古くは製塩の島として栄え、また潮待ちで寄港する船も多くあったことから海運業、造船業が発達し、明治、大正、昭和と大いに賑わった。近年では、温暖な気候をいかした柑橘類栽培が島の産業となっている。
★『
大崎上島櫂伝馬競漕』で「
島の宝100景(国土交通省)」に選出。毎年夏に開催される「きのえ十七夜祭(木江港)」と「ひがしの住吉祭(白水港)」では勇壮な「櫂伝馬競漕(かいでんまきょうそう)」が行われる。戦国時代、大崎上島は小早川水軍に組する大崎衆が活躍した。往時を伝える祭りに士気が上がる。
見どころ
[北部]
海と島の歴史資料館(大望月邸)…この島出身の望月圭介大臣の生家を改修して歴史資料館にしたもの。明治8年に「地獄建て」と呼ばれる釘を使わない工法で建てられたもので、平成14年に改修されている。
望月圭介(1867-1941)…大崎上島東野村出身の政治家。廻船業・造船業で財を成した望月家の三男として生まれ、後に政治家となる。原内閣時代に幹事長を務めるなど、明治・大正・昭和と活躍し衆議院議員に13回当選している。
大崎公園(望月公園)…「海と島の歴史資料館」の北側の高台にある公園。望月圭介の銅像がある。二子島や船島など点在する島々が望め、桜、サツキ、もみじ、四季折々の花と共に美しい景観が見渡せる。
阿弥陀寺…応永29年(1422)、真言宗法呑津師(ほうだんりっし)が創設。室町時代の金毘羅堂経机や五鈷鈴などの文化財も残されている。現在は曹洞宗に改宗され、座禅堂には参禅者も多い。
[西部]
大串海水浴場…島の西側にある海水浴場。水質もよく、1km続く白い砂浜が人気。夏は海水浴やマリンスポーツで賑わい、毎年8月15日に催されるサマーフェスティバルでは魚のつかみ取りなどで賑わいを見せる。キャンプ場有り。
権現山(207m)…眼下には美しい大串外浜海岸やキャンプ場、瀬戸内の美しい多島美が望める。
薬研谷温泉(ふれあいの館)…大串にある天然温泉(ラジウム泉)。主浴槽、打たせ湯、泡風呂があり、低料金で地元の人気風呂。施設は「ふれあいの館」となっており、大小の広間、情報交流コーナー、特産品販売所などがある。
田坂家の多門…原田地区にある江戸時代の庄屋屋敷の門。
花の里・二郎さん農園…大崎上島は日本で最初にブルベリーの栽培を始めた地。ここではブルベリーの収穫体験ができる。ヤギや鶏などの動物もいるし、年中なにかが収穫できる。
[南東部]
木江ふれあい郷土資料館…船の形をした資料館。木江(きのえ)の歴史、船の模型、造船の道具、写真家・村上宏治 常設ギャラリーなどがある。木江港から南へ1.5kmほど下ったところにある。平成26年1月8日リニューアルオープン。
木江港交流倶楽部かもめ館…竜宮城のような建物をした交流施設。映像館、大広間、ホールがあり、いろいろなイベントや発表の場として利用されている。
神峰山(かんのみねさん)(453m)…島の南にある神峰山の展望台からは瀬戸内海の島々や遠く四国の山々が望める。かもめ館から頂上へのハイキングコースがある。
きのえ海水浴場…ホテル清風館の真下にある海水浴場。幅180mの整備された白砂の浜が美しい。キャンプ場有り
弓張岩…応永年間(1394~1427)、沖浦葛城主で弓の名人として知られた小早川冬平が弦を岩に固定し、次々と賊の船めがけて弓を放ったと伝えられる岩。毎年夏には神事や弓道大会が行われる。
天の鳥船…ゲージツ家・篠原勝之さんの巨大な鉄のオブジェ。平成元年(1989)、海と島の博覧会ひろしまを記念して制作されたもの。
清水観音…菅原道真が大宰府へおもむく際に立ち寄り、岩の割れ目から清水をすくって飲んだと伝わる場所に立つ。町指定文化財。
厳島神社のむくの木…町内一の巨木で神社のシンボルになっている。町指定文化財。