●由利島（ゆりじま）［忽那諸島］
★無人島の電話ボックス
●住所／愛媛県松山市二神
●面積／0.61km2●周囲／約5km●標高／194m●人口／無人島●アクセス／松山港からだとチャーター船で約30分
★松山港から西へ約15km、二神島から南へ約8km。西の小由利、東の大由利と呼ぶ2つの小島が繋がっている。もともとはくびれの無い島だったが、13世紀の終わり頃、地震で部分陥没が起こり現在の形になったと言われている。
★小由利からは弥生式土器、大由利からは平安・鎌倉期の土器や貝塚が出土し、古代人の生活の場であったことを示している。また、南側の海底からは井戸と思われる石積みも見つかっており、かつては「由利千軒」と呼ばれるような賑わう集落があり、地震で海底に沈んだとする話もある。
★周囲の海は古くから好漁場として知られ、江戸時代になると遠く紀州の漁師がイワシ漁で島を訪れるほどで、激しい魚場争いも起こった。イワシ漁が最も盛んになる昭和初期、夏の漁期に二神島から数百人の移住者が渡ってきたこともあった。
★賑やかだった島に翳りが見え始めるのは昭和30年代に入ってから。漁の不振というより都会の労働需要の高まりと便利な生活を求めての離島だった。昭和30年の人口は75人。同35年は21人。そして同40年には残っていた6人全てが離島している。
★無人島になってからも漁や農耕で訪れる人がいたことから緊急連絡用として海辺の公衆電話ボックスが残されていた。無人島の「命の電話」として話題になったこともあるが、携帯電話の普及等で利用者が減ったことから平成5年に電話機が撤去された。今でも電話ボックスは残されているが、表面の板は剥がれ、倒れそうに傾いた姿は見放された時間の長さを物語っている。
★日本テレビの人気番組『進ぬ!電波少年』（平成10年1月～14年9月放送）や『ザ！鉄腕！ＤＡＳＨ！！』のＤＡＳＨ島（2012年9月16日スタート）のロケ地。