北海道の島弁天島
弁天島
根室弁天島
弁天島(べんてんじま)[根室弁天島]
根室港の守り神
住所/北海道根室市弁天島
面積/0.05km2周囲/1.2km標高/13m人口/無人島
アクセス/根室港から船で5分程
市杵島(いちきしま)神社の例大祭の時は渡船あり
概要
弁天島は根室港の目の前にある島というより、弁天島の存在が根室の港を造り、町を発展させてきた。
アダム・ラクスマン
世界ではイギリスの産業革命、アメリカの独立、フランス革命、そして日本では松平定信による寛政の改革が行なわれていた時代。1792年10月20日、ロシア帝国第8代皇帝エカチェリーナ2世の命を受けたアダム・ラクスマンが根室港へ入港した。目的は日本人漂流民、大黒屋光太夫ら3人を返還することを名目に、日本との通商を求めることだった。ラクスマン一行は冬の航海を避けるために帆船(エカチェリーナ号)を弁天島に繋ぎ、根室へ上陸して8ヶ月間滞在している。当時の根室には松前の役人や商人などの和人とアイヌ人が数十名住んでいたという。その後ラクスマンは松前で交渉を行ったが通商は認められず、光太夫らを残して帰国している。この事件は日本とロシア双方においてその存在を知らしめる大きな第一歩だった。ちなみにこの時ラクスマンが凍結した根室港でスケートをしたのが日本でのスケート第一号だと言われている。
1878年(明治11年)にイギリス人ジョン・ミルンが弁天島から貝塚を発見している。この発見は世間ではあまり知られていないが、日本人とオホーツク文化の関係を知る上での大きな出発点となった。
1931年8月24日、 チャールズ・リンドバーグが根室を訪れた。リンドバーグは1927年にニューヨークとパリ間の大西洋無着陸飛行を単独で成功させたことで、世界のヒーローになっていた。根室を訪れたときは北太平洋航路の調査ということで、奥さんのアン・モローと一緒にシリウス号に乗って訪れた。弁天島の北を通ってシリウス号が現れた時、根室の港は人だかりで溢れ大騒ぎになった。
弁天島は普段は誰もいない静かな島だが、毎年9月には市杵島神社の例大祭が行なわれる。この時は根室港から渡船が出て一般の人も無料で島に渡れる。この市杵島神社は、択捉航路を開拓した高田屋嘉兵衛が根室に金刀比羅神社を建立した際に、その付属社として建てられたもの。市杵島神社には水の神様である市杵島姫命が祀ってある。市杵島姫命は神仏習合の時代に弁財天と習合したもので、市杵島姫命イコール弁天様だ。神社は文化年間(1804-1817年)創建。

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