●嶮暮帰島(けんぼっきとう)
★鳥の台地
●住所/北海道厚岸郡浜中町嶮暮帰
●面積/0.07km2
●周囲/4.5km
●標高/59m
●人口/無人島
●アクセス/自然保護のため地元のガイド無しでの入島は制限されている。※春から秋にかけての観光シーズンには、上陸企画もある。「
霧多布湿原トラスト」
概要
★嶮暮帰島はおよそ3000年前に海底が隆起し、波の侵食によって削られてできた。横から見るとテーブル型をした平らな島。霧多布、ゴメ島、小島、そしてこの嶮暮帰島で琵琶瀬湾を形づくっている。
★島名はアイヌ語の“ケネポク”からきており、「ハンノキorアカダモ(ハルニレ)の木の下」という意味。昔はこのような木々が茂っていたのかもしれないが、多くが燃料などのために伐採され、今ではスズラン、エゾカンゾウ、エゾリンドウ、ヒオウギアヤメなどが群生する草原と海鳥の島になっている。
★草原の台地は海鳥の繁殖に適しており、コシジロウミツバメの繁殖地として有名。ウミウやウミネコ、そして絶滅危惧種に指定されているエトピリカの姿も確認されている。エトピリカは嶮暮帰島の北東約1kmのところにある小島で繁殖が確認されている。
★また、世界で最も小さいほ乳類の一つと言われているトウキョウトガリネズミの生息が確認。モグラの仲間で、体長5㎝、体重2g。日本では北海道でしか発見されておらず、特にここ数年間では嶮暮帰島でしか見つかっていない。その生態はまだ謎に包まれている幻の生きものだ。
★昭和46年から47年にかけて作家の畑正憲(ムツゴロウ)さんがこの島に移り住み、対岸の浜中町に動物王国を作り、それに基づいたエッセイや小説を発表し話題を呼んだ。当時は琵琶瀬と嶮暮帰島の間は浅瀬になっており、大潮の日には歩いて渡ることができた。