●幸島(こうじま)[
南那珂群島]
★文化ザル
●住所/宮崎県串間市市木
●面積/0.3km2
●周囲/3.5km
●標高/113.5m
●人口/無人島
●アクセス/渡し舟(予約)
概要
★幸島は宮崎県の南端、串間市の石波(いしなみ)海岸沖約300mにある無人島。400mほど東には無人島の鳥島が並ぶ。
★古くからニホンザルの生息地として知られ、地元ではこの島のサルを弁天様の使いとして「和子様(わこさま)」と呼び親しんできた。サルが棲みつくようになった理由は分かってはいないが、平家の落人が神使のために飼ったのが始まりだという話もある。昭和9年に「幸島サル生息地」として国の天然記念物に指定されている。
★昭和23年、石波海岸に京都大学霊長類研究所が置かれ、同25年には日本で初めてサルの餌付けに成功。同29年には砂にまみれたイモを海水で洗うサルが観察された。その後、多くのサルが麦を洗ったり水泳をしたりする姿が見られ、文化を持つサルとして世界的にも注目を浴び、大きな話題にもなった。近年では個体数増加を抑えるために餌付けは制限されているが、浜辺で生魚にかぶりつくサルも現れ、観光客誘致の新たな話題にならないか検討されている。
★幸島のサル研究には三戸サツヱという女性の存在があった。小・中学校の教員をしながら京大の研究所とともに幸島のサルを見守り、「芋洗いサル」の発見などに貢献し、著書も残されている。三戸サツヱさんは平成24年(2012)に97歳で亡くなったが、幸島の芋洗いサルは健在だ。