●冠者島(かんじゃじま)
★元服した島
●住所/福井県大飯郡おおい町大島
●面積/0.01km2
●周囲/0.4km
●標高/25m
●人口/無人島
●アクセス/[
福鉄バス大島線]
若狭本郷→宮留(20分)
概要
★冠者島は小浜湾の西側を形づくる大島半島の日角浜(ひつはま)沖にある小島。周囲には防波堤や筏(いかだ)があり釣り人に人気。
★対馬暖流の影響でタブノキやスダジイなどの照葉樹林が鬱蒼と覆い、天然枇杷(びわ)の自生が見られる。
★桂島と呼ばれることもあったようだが、島名の由来はよく分からない。「能楽」に出てくる太郎冠者や次郎冠者の冠者(かじゃorかんじゃ)は“元服したての男子”のこと。小島ながら木々が勢い良く茂っていることが由来か? あるいは、この辺りの特産のひとつに椿油があり、「太郎冠者」という品種があるという。この島に「太郎冠者」が花を咲かせていたとも考えられる。
★大島半島は奈良時代の頃から荘園として管理されていた。平安時代や鎌倉時代の寺跡や重要文化財に指定される仏像がいくつも残されている。都の影響を受けた独特の文化が島の名前にも影響しているのかもしれない。
★冠者島が間近に見える大島集落(日角浜)に行くには、若狭本郷から青戸の大橋(743m)を渡り、県道241号線を7kmほど北上。昔は陸の孤島と呼ばれたこの地域も今では陸伝いに車で行くことができる。道は半島の先端にある大飯発電所まで伸びている。大飯発電所は4基の原子炉を備える原子力発電所で、福井県で最大。この発電所を誘致したことで、埋もれた仏像もそして冠者島にも光が当たっているようだ。